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28 12月 2020
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Q1 ボルドーが目指しているものは?

ボルドーでは20年以上にわたり、ワイン生産者が一丸となって環境問題に取り組んできました。ボルドーワイン委員会(CIVB)が主導して次の5つの目標をかかげ、栽培から消費者に届くまでの全段階における環境負荷低減を目指しています。

5つの共通目標
1. 農薬の使用を永続的に削減
2. 地元住民との共生
3. 生物多様性の維持
4. カーボンフットプリント、水やエネルギーの削減
5. 永続的ワイン生産への革新

2007年には当時のサルコジ大統領のもと、国全体で環境に対する対策をとるべく環境グルネル会議がおこなわれ、その際の話し合いをもとに「環境認定栽培」という制度が生まれました。
2011年には、環境認証全国委員会(CNCE)が発足。生物多様性の維持、殺菌・殺虫剤の散布戦略、施肥の管理、水のリソースの管理などを基本のテーマとする、レベル1~3までの環境認証が整えられました。
これを受けてボルドーでは、環境認証取得の推進をめざし、2019年には、ぶどう畑の総面積の65%が環境に配慮した取り組みを認知する何らかの認証を取得しており、100%取得を目標としています。

 

Q2 HVE(環境価値重視認証)とはなにか?

環境認証は、生物多様性の保全、植物防疫戦略、施肥管理、水資源対策の4つの分野について規定を順守した農業従事者に与えられるもので、3段階のレベルがあります。中でも、HVE Haute Valeur Environnementale(環境価値重視認証)は農業事業者を対象とした環境認証では最高レベルの認証です。

レベル1
現状の把握 – 「持続可能な」栽培に関する基本的な知識を持っている。
レベル2
定められた項目を遵守 – 4分野16の基準を遵守している。
レベル3(HVE)
定められた指標を達成 – 4分野について、設定された細かい指標をクリアしており、HVEのロゴを貼付することができる。

HVE(環境価値重視認証)はすべての農業分野に関した認証であり、現状では約80%がぶどう栽培に適用されています。2020年7月現在、登録件数8,218軒のうちボルドーのあるジロンド県が、1,610軒とトップを走ります。2番手のシャンパーニュの含まれるマルヌ県の登録数が654軒であることを鑑みると、大きな差があることが窺えます。

 

Q3 どのように目標に取り組んでいるのか?

ボルドーでは2009年、「環境計画2020」を打ち出しています。
これは、2020年までに、温室効果ガス排出量20%削減(2008年起点840,000トン→672,000トン)、エネルギー使用量20%削減、水の使用量20%削減、リサイクルエネルギーの20%創出を目標に掲げたもので、2013年にカーボンフットプリント算定を行った時には、770,000トンで、5年間でマイナス9%を達成していました。
各造り手の例をあげると、AOCマルゴーのシャトー・ドーザックでは、約50 haの畑でレゾネ栽培を実施。木樽のうちの一枚を25cm幅の透明なガラスに置き換えたものを、2014年にセガン・モロー社に発注。樽の中が見えるようになったことで、不必要なルモンタージュが回避され、より正確な醸造が可能となりました。
また、AOCサンテステフのシャトー・モンローズでは、3,000m2のソーラーパネルを設置することで、電気の自給自足を達成。温度が15℃と一定した地下水をくみ上げ、これを熱交換器で温度を変えて、建物の天井などを通じて流し、建物の温度調節を可能にするなど、さまざまな取り組みがおこなわれています。

 

Q4 CO2はどうやって減らすの?

ボトルの軽量化もCO2削減には大きく役立ち、原料投入量の見直しばかりでなく、運送の際の重量が下がることで貢献しています。
また、CO2削減のカギのひとつとして、発酵中に発生するCO2の捕捉と再利用があげられます。各タンクに設置されたパイプを用いて捕捉し、CO2から重炭酸塩(重曹など)を作製。濾過後、重曹を乾燥させ、タンクなどの洗浄のほか、化粧品や医薬品など他産業にも利用しようとしています。

 

Q5 殺虫剤を減らすためにどうしているの?

ボルドーでは、ヒメハマキガやホソハマキガへの対策として、セクシャル・コンフュージョンを推奨。雌の蛾のフェロモンを出すカプセルを設置することで雄を撹乱する仕組みで、1haあたり500個設置し、5ha展開することで効果があるといわれています。2017年4月より、ボルドーワイン委員会(CIVB)が、10haのブロックを形成するための支援ツールを提供開始。2018年には、70生産者、15,000ha以上をカバーしています。他にも、蛾の対策としては、捕食者であるコウモリを呼び込む試みもされており、フランスに生息する33種のコウモリのうち22種がジロンド県に生息するようになりました。
また、フラヴェセンス・ドレ(ファイトプラズマにより引き起こされ、葉が黄色くなるなどの被害があり、収量、品質に影響。ヨコバイの媒介によって広がる)に対しては、GDON という有害生物に対する保護グループが、集団で監視することにより、兆候が見えたらすぐに殺虫剤を散布したり、罹患したぶどう樹を引き抜いたりすることで、トータルの散布量の削減を実現。リブルネのGDON(2007年結成)では、52~83% 散布量削減、ボルドーのGDONでは、74,000ha 12~33%散布量削減が報告されています。

 

Q6新しい品種とは?

気候変動に適応でき、カビ病などに強い品種の導入の検討がすすめられています。2019年、AOCボルドーおよびAOCボルドー・シュペリウールの生産者総会で赤4品種、白3品種の導入が決定されました。

赤ワイン用4品種:
アリナルノア(灰色カビ病に強い)
カステ(南西地方原産で、灰色カビ病、ウドンコ病、ベト病に強い)
マルセラン(晩熟のため、春霜を逃れられる。灰色カビ病、ウドンコ病に強い)
トウリガ・ナショナル(ポルトガル原産、晩熟のため春霜を逃れられる。いろいろなカビ病に強い)

白ワイン用3品種:
アルヴァリーニョ(灰色カビ病に強い)
リリオリラ(灰色カビ病に強い)
プティ・マンサン(ピレネー・ザトランティック原産、灰色カビ病に耐性がある)。

 

Q7 AOCとの関係は?

ボルドーでは、8つのODG(AOCの保護管理団体)が、環境対策をAOCの仕様書に盛り込むことを決議しました。これは、フランスでははじめての動きで、8つのODGでボルドーの栽培面積の約80%をカバーします。
たとえば、AOCボルドーおよびAOCボルドー・シュペリウール仕様書(2019年改訂)には、区画全体を化学的に除草することの禁止、農薬散布の頻度(販売量/標準散布量)を計算し、記録すること、死んだ株は区画外に出し、区画内に保管してはならないなどと記されています。
また、2018年のサン・テミリオン生産者総会においては、2023年1月1日までに、レベル2相当の環境認証を取得しなければならない(=取得しないとAOCを名乗れない)ことが承認されました。
今後、INAOで承認されるプロセスを経て、AOCの仕様書に盛り込まれることとなります。

 

Q8 サステイナブルワインはどの様におすすめしたらよい?

サステイナブルは、「人間・社会・地球環境の持続可能な発展」を志向するもの。多くの造り手がサステイナブルなワイン造りを通じて、その土地の個性を表現することを目指しています。
また、「持続可能な発展」の輪の中には、消費者も含まれています。ワインを買う・飲むという行為が、健康や、健全な社会、環境を維持するための貢献に繋がる……身体にやさしいばかりでなく、社会や環境にも良い連鎖を生み出していくということが、サステイナブルの真髄なのです。
サステイナブルワインは、「身体にやさしく、社会や環境のことも考えられたワイン」として、自信をもって消費者の方がたにおすすめいただけます。

こうしてボルドーのサステイナブルへの取り組みを見てくると、ボルドーは、環境分野においても、ワイン生産地の中ではパイオニアであることが窺えます。
その視野は、ぶどう畑における農法にとどまりません。環境、経済、健康など、ワインにかかわるすべての事象が、持続可能であることを目指しているのです。

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