04 10月 2021
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樹木と農作物を同じ畑で育てる?『アグロフォレストリー』と呼ばれるこの農法はぶどう栽培にも適用され、フランスでは『ヴィティフォレストリー Vitiforesterie』としても知られています。アグロフォレストリーを実践するぶどう畑では、畝と畝の間や周辺に別の樹木や灌木などが植えられています。導入が始まったばかりの頃は、生産者は同じ種類の木を選んで植えることが多かったのですが、最近はより多様性を重んじ、様々な植物を取り入れています。特に農薬や余分な化学肥料の使用を減らし、多様な生物が共存する豊かな栽培環境を目指すため、ボルドーではこの農法を選択する生産者が増えています。

アグロフォレストリーがぶどう栽培にもたらすメリットとは 

アグロフォレストリーを採用するメリットはたくさんあります。まず、木は地中深くまで根を張るため、地下深部の水やミネラルを吸い上げて、地上表面の植物に供給するはたらきがあります。また根は、土壌構造にも良い影響をもたらします。生き物や植物の生命力を高め、特に土中の養分を植物の根に運ぶ『菌根菌』を増やしてくれます。この菌は土壌の肥沃化に不可欠であるほか、ぶどう樹の抵抗力を高めてくれるので、銅の使用を最小限に抑えることができます。

また、木はぶどう栽培に有益な動物(ハチ、鳥、コウモリなど)のすみかや、食料の源になるため、自然の害虫対策として機能し、結果的に殺虫剤などの使用を減らすことができます。

現在世界中で懸念されている地球温暖化への対策としても、植樹は役立ちます。木は自然の豊かな景観を演出するだけでなく、ミクロクリマを形成します。風害を軽減し、地中に雨水を蓄え適切に浸透させることで水ストレスを減らし、日陰を作ることで熱ストレスを緩和します。

また最終的には地下水の汚染を抑える自然のフィルターとして機能し、炭素の回収と貯留を促進します。

agroforesterie

アグロフォレストリーに魅せられた生産者たち

ムーリス・アン・メドックのシャトー・アントニックは、メドック地区で初めて大規模なアグロフォレストリー農法を導入した生産者です。2019年に有機認証を取得したぶどう畑全体で、アグロフォレストリーに取り組んでいます。水環境と林業専門のグランゼコール卒のエンジニアで、ぶどう栽培農家でもあるジャン=バティスト・コルドニエが、1993年よりこのシャトーの責任者を務めています。

 「林業へのアプローチでは、常に植物と木の相互作用を取り入れてきました。そのせいもあって、ぶどう栽培を続ければ続けるほど、林業で培った手法をぶどう畑に応用できるのではないかと確信するようになりました」。

 

10年前に敷地の周りに最初の生け垣を作って以来、シャトー・アントニックはアグロフォレストリーの取り組みを着実に進めています。最初の植樹は、いくつかの区画で植え替えを行った5〜6年前のことでした。「以来、ぶどう樹の植え替えの際は、必ず別の木を一緒に植えています。20列のうち2列を、ぶどう樹ではなく別の木の列にするのです」と、ジャン=バティスト・コルドニエは説明します。生物多様性維持の論理のもと、ベト病やウドンコ病対策により破壊されてしまった菌根菌を取り戻そうと、同シャトーは迷うことなく有機農業に転換しました。さらに植物のバイオマス、腐植、土壌微生物を増やすため、2列おきにぶどう樹の畝と畝の間をカバークロップで覆いました。こうして、ぶどう畑で必要な有機肥料はほぼ自給できるようになり、足りない分を近隣の農家に分けてもらった堆肥で補うのみになりました。その成果は目に見える形で現れました。「大地が息を吹き返したようです」と、ジャン=バティスト・コルドニエは語ります。「悪化の一途をたどっていた有機物レベルが、3年前から少しずつですが改善されてきました」。

一方、バルサックのシャトー・ラ・クロット・カザリスのアグロフォレストリーは、マリー=ピエール・ラコストが、元は穀物栽培に使用されていたガロンヌ川沿いの平らな土地*に木を植えたことから始まりました。木を植えることで、土壌が養分を保てるようになると、マリー=ピエール・ラコストは、徐々にぶどう栽培を考えるようになりました。ぶどう樹だけの畑より、他の木と根を接している森の中のような環境の方が本来の生息地に近く、ぶどうの生育に適しているからです。『ぶどう樹と木々を再びつなぐ』ことを目的とした彼女のアグロフォレストリー実験は、2017年、1.3ヘクタールの区画に辛口白ワイン用のぶどうを新しく植えることから始まりました。

ぶどう樹の畝12列ごとに1列、6メートル間隔で主にこの土地の果樹を植えました。その間に、小型の果樹やハーブなどを混植しました

 

この間隔は、鳥やコウモリの生態を考慮して割り出されました。4年経った今、彼女はその成果を実感し、次のように語っています。「鳥や昆虫がたくさん来るようになって、生物多様性が明らかに向上しました。さらにミクロクリマが形成されたおかげで、ワインに爽やかな香りが生まれました」。彼女は今年、また一歩前進し、畑内のぶどう樹が引き抜かれた空きスペースに、ぶどうの苗ではなく、木を植えました。

agroforesterie dans le vignoble bordelais

*沼地

 

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